景気の悪化により、給料が減ったりボーナスがなくなることで住宅ローンの支払いが滞ってしまった場合、いったいどのようにすべきでしょうか?その方法の一環としてローンが残ったまま不動産を売ることが可能な「任意売却」という方法があります。ここでは、任意売却のメリット・デメリットを踏まえて詳しく解説します。
そもそも任意売却とは?
住宅ローンの滞納が続くと、通常は競売にかけられてしまいます。住宅ローンが残っている状態で金融機関等(銀行)との合意により、物件を売却する方法です。
■任意売却が必要となるケース
経済的な事情でローン返済が厳しい、病気やケガ、収入が激減するなど、経済的に苦しい状況でローン返済が難しい場合などです。任意売却では、自己破産をすることなく
売却することが可能です。
■売却代金がローンを下回るケース
一般的に売却代金がローンの残高を下回ると売却が不可能となりますが、任意売却ではこのような状況でも売却が可能となります。
■競売との違い
住宅ローンは、担保として「抵当権」が設定されています。ローンの滞納が続くと、
金融機関等が差し押さえを行い、裁判所を通じて強制的に売却します。このことを
「競売」と言います。
競売は各地の地方裁判所で定期的に行われています。購入は入札で行い、一番高い価格で入札した方が落札者となります。
■競売の特徴
●市場価格より安く落札される可能性がある
●まわり近所に競売にかかっているとわかる
●ローン残金の一括請求
●消費者を保護する規定が適用されない
任意売却のメリット
任意売却では、以下のメリットがあります。それぞれ見ていきましょう。
1.市場価格で売却が可能
通常の不動産取引と同様に売却するため、競売より高く売れる可能性があります。競売では、一般的に市場価格の70%程度になってしまうこともあります。
2.周囲に知られることなく売却できる
競売では、裁判所のホームページや業界紙、新聞などに掲載されたり、現況調査で執行官が自宅に訪問することがあります。任意売却は物件の調査などもなく、債権者との
合意の上で売却するので周囲に知られることはありません。
3.手持ち金が不要
仲介手数料や滞納分の管理費・修繕積立、抵当権抹消費用など、売却代金から清算することができます。また、債権者との交渉により、引越し費用を確保できる場合があります。
4.自宅を売却した後も住み続けられる
売却後もそのまま住み続けたい方は「リースバック」という方法で可能となります。
売却先の買主と賃貸借契約を締結して、引き続き住み続けることができます。
任意売却のデメリット
以下のデメリットがあります。それぞれ見ていきましょう。
1.金融機関等の合意が必要
任意売却を成立させるためには、住宅ローンの債権者である金融機関等の合意が必要となります。極端に売却価格が低くなると交渉が難しくなります。
2.売却には期限がある
任意売却でも売れるまで金融機関等は待ってくれません。一定期間が過ぎれば競売での売却になりますので、任意売却の準備は余裕をもって行う必要があります。
3.100%売れる保証はない
不動産会社が通常の仲介で買主を見つけるため、必ずしも買い手が付くとは限りません。成立しない場合は競売にかけられます。
4.信用情報に傷がつく
ローンを滞納すると、金融機関の事故者情報に掲載されます。約5年間は、ローンを組んだり、クレジットカードなどが利用できなくなります。
まとめ
ここでは、任意売却の仕組みやメリット・デメリットなどを解説しました。任意売却が成立すれば、市場価格よりも高く売却できる可能性もあります。
とはいえ、住宅ローンが滞り、競売にかけられる状況にある方は早めに株式会社K'sまでご相談いただくことをお勧めします。